超合金
ポピー(現バンダイ)が発売している、ダイキャスト合金を使ったロボット玩具の総称です。赤と黄色で彩られたロゴマークを、一度は見たことがある人も多いのではないでしょうか。この超合金という言葉はロボットアニメ「マジンガーZ」に出てくる。マジンガーZを構成する合金、超合金Zからネーミングされています。作中でマジンガーZがその堅牢ぶりを披露するシーンが多々ありますが、おもちゃの方もダイキャスト合金を使ったことで、
固い・冷たい・重いという、ロボットとしての質感や実在感を高めることに貢献しています。超合金は1974年に大ヒット商品となり、男児向けおもちゃの中心的なブランドになりました。男の子にとっては、まさに憧れのおもちゃの代表格と言えるでしょう。
ジャンボマシンダー
超合金と並び、ポピーが発売していた男児向け玩具の代表的なブランドです。超合金がロボットの質感重視だとしたら、ジャンボマシンダーはロボットの大きさや強さを感じさせる商品だと言えます。
素材にシャンプーボトルなどで使われるポリエチレンを採用した、全高約60cmの巨大ロボット玩具として、超合金に劣らない大ヒット商品になりました。当時の玩具協会に表彰される程のヒット商品としてマジンガーZから始まり、仮面ライダー、ウルトラマン、敵の怪人やロボットなども商品化されたのです。
残念ながらジャンボマシンダーは今は発売されていません。しかし、時折懐かしむようにジャンボマシンダーのような大きさを持ったロボットやヒーローの玩具がリバイバル的に発売されることもあり、その血脈は今の玩具にも確かに受け継がれています。
敵キャラクターのジャンボマシンダーは特に現存数が少なく、高値が付きやすいです。また1980年代に発売されたスーパージャンボマシンダーも非常にレアであり、100万円を超えることも珍しくありません。
トランスフォーマー
ポピー(バンダイ)の花形商品が超合金やジャンボマシンダーであれば、ライバルメーカーであるタカラ(現タカラトミー)の花形商品はトランスフォーマーでしょう。
トランスフォーマーは、タカラが発売していた、ミクロマンやダイアクロンといったいわゆるタカラSFワールドの商品を再構成し、新しく世界観を提供したロボット玩具シリーズです。
1984年にアメリカで生まれ、その後日本に逆輸入。日本では1985年にテレビ放送を開始。瞬く間に男児向け玩具業界を席巻し、バンダイのキャラクター玩具を圧倒するほどの勢いを見せました。現在でもトランスフォーマー商品は全世界で展開中。映画やテレビシリーズに合わせて新商品が発売されています。全世界で展開されているだけに、規模でいえばバンダイの男児向け商品である、仮面ライダーやスーパー戦隊を上回るものがあります。世界中にコレクターがいるので、日本限定の商品には高値がつくことが多いです。
トミカ
トミー(現タカラトミー)が発売している、日本でナンバーワンの出荷数を誇るミニカーシリーズです。初代トミカが発売されたのは1970年。国産のダイキャストミニカーとしてそれまで無かったスケール、ディティール、そしてギミックを兼ね備えたシリーズとして、発売からずっと子供達に大きな支持を受けています。歴史が長い間シリーズだけに、多くのコレクターがおり、限定カラーや非売品なども多いので、最もコレクションが困難を極める玩具ブランドとも言われています。
またトミカパーキングシリーズと呼ばれる、トミカと一緒に遊べる駐車場やジオラマセット、お店などの商品も人気があります。近年はトミカ自体も子供向けだけではなく、大人向けのトミカリミテッド、トミカリミテッドヴィンテージなど多数のシリーズが発売されています。
価格は450円と手頃ながらも、実車のような存在感は、多くの男性の心を掴んで離しません。
ミクロマン
タカラが1970年代から80年代にかけて展開していた、小さな可動フィギュアと基地や乗り物を絡ませて楽しむ玩具シリーズです。いわゆるSFマインドに溢れた玩具シリーズとして、TVというメディアに頼らず大きな人気を博しました。メッキパーツとクリアパーツを組み合わせた、近未来感あふれる可動フィギュア。そして変形する乗り物や宇宙基地など、SFチックな世界観を感じさせる乗り物とセットで遊ぶことで、子どもたちの想像力を大いに刺激したのです。
その後はトランスフォーマーに発展解消的に組み込まれていくことになりますが、1990年代末には小さな巨人ミクロマンとして復活。その後もタカラトミーの関連会社タカラトミーアーツから、艦これとミクロマンを組み合わせたコラボシリーズが発売されるなど、今なお多くの玩具マニアにとって忘れられない商品となっています。
仮面ライダーベルト
男児向け変身玩具を日本に定着させた立役者、それが仮面ライダーベルトです。こちらもポピーが発売しました。1971年の放送開始時、仮面ライダーのメインスポンサーは、今は亡きタカトクトイスでした。しかしタカトクトイスから発売された仮面ライダーベルトは、光る!鳴る!という特徴的なギミックを再現しておらず、本当に巻くだけのベルトだったので。そこで男児玩具業界へ進出を狙っていたポピーが、光る!鳴る!ギミックをつけたベルトを、1500円という当時では非常な高価格で発売。高価格ながらもその番組さながらのギミックが子供たちに受けに受け、累計300万個という大ヒット商品になりました。現在でも平成仮面ライダーには欠かせない商品になっており、日本おもちゃ大賞のセールス対象を毎年獲得しています。今なお名実ともに、日本を代表する玩具です。
聖闘士星矢
ファミコン人気により市場が冷え込んでいた1980年代の玩具業界を一気に活性化したのがアニメ「聖闘士星矢」のキャラクターたちを再現した聖闘士聖衣大系です。
少年ジャンプの連載開始直後からバンダイがいち早く目をつけアニメ化&商品化。男の子の着せ替え人形と言われているように、金属でできた鎧を可動フィギュアに装着して楽し無玩具です。超合金と同じような金属の質感、そして鎧を動物などのオブジェに変形させる変形玩具、そして着せ替えもできるという、三つの楽しさで大ヒットしました。
その後番組の終了とともにシリーズ展開は終了しましたが、2003年からは大人向け玩具「聖闘士聖衣神話」としてリバイバル。世界中で展開されるようになり、今なお聖闘士星矢の玩具シリーズは多数発売され続けています。
もはや聖闘士星矢は日本だけのコンテンツではなく、ワールドワイドなキャラクターと言えるのです。
ウルトラマン・怪獣ソフビ人形
日本に本格的なキャラクター玩具ブームを生み出した先駆者といえば、特撮テレビシリーズウルトラマンでしょう。ウルトラマンの前番組であるウルトラQでは、まだ怪獣文化が定着しておらず、怪獣の玩具も発売されていませんでした。
しかし、ウルトラマンの爆発的な人気と共に、各社が商品を展開。マルサンから発売されたウルトラマンそして怪獣たちを模したソフビ人形は、爆発的なヒットになったのです。市場に溢れました。ウルトラマンを中心的に商品化していたマルサン、ブルマァクが倒産した後は、ポピーが「キングザウルスシリーズ」と銘打ち、各作品に出てくる怪獣を統一スケールで商品化。これが今も続く、ウルトラマン・怪獣ソフビシリーズの原点になっています。ウルトラマンの最大の特徴は、ヒーローだけではなく怪獣もメイン商品という点です。敵の怪獣も子どもたちにとっては愛すべきヒーローなのです。敵側の商品がこれ程売れる男児向けヒーローは、ウルトラマンだけでしょう。
レゴブロック
ブロック玩具といえば国内玩具メーカーでも数々の商品があります。国内で言えばダイヤブロック、ナノブロック、ニューブロック、LaQなどの商品があります。
しかし、圧倒的な知名度を誇るブロック玩具といえば、やはりレゴブロックでしょう。レゴブロックはデンマーク生まれ。1930年代にデンマークで生まれ、今の形になったのは1958年。日本には1960年代に輸入販売が開始されました。しかし、高級知育玩具という側面が強く、日本に定着するまでには何回も代理店が変わり、20年近い時間を要しました。
1978年に日本にレゴジャパンとして現地法人が生まれた後は、日本の玩具市場にも定着しました。現在でも世界中でブロック玩具の代表格としていますが、日本は日本のキャラクターを模したレゴブロックや、日本限定のセットなどが数多く発売されているため、マニアから注目を浴びる市場になっています。
合金玩具
超合金が一大ブームを起こした後、多数の玩具メーカーがその超合金を模した合金玩具を発売していました。タカトクトイスのZ合金、ブルマァクのジンクロン合金、タカラではダイアクロンやミクロマンにダイキャストを使って対抗馬にしていました。その他の数え切れないほどのメーカーが、合金玩具を発売しています。
今は亡きメーカーが多いだけに、1975年~80年前後の合金玩具は残存数が少なく、マニアにとっては垂涎の品になっています。ガンプラで知られる機動戦士ガンダムも1979年の放送時にはダイカスト合金として、クローバーというメーカーから合体セットが発売されていました。クローバーはガンダム以外にも無敵超人ザンボット3や無敵鋼人ダイターン3、最強ロボダイオージャ、無敵ロボトライダーG7など多数の合金玩具を発売しています。これらのキャラクターは今でも超合金ブランドで新商品が発売されるなど、クローバーが残したキャラクター合金玩具の息吹は、今なお受け継がれていると言えます。