愛され続けるモデルガン~ピークを過ぎた今だからこそ高額買取が狙える理由を紹介します~

2019.07.06

ミリタリー

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愛され続けるモデルガン~ピークを過ぎた今だからこそ高額買取が狙える理由を紹介します~

エアガンに興味のある人でも、モデルガンといわれると馴染みが薄いかもしれません。
エアガンと比べるとどうしてもマイナーなモデルガンですが、昔はトイガンの王様でした。
人気も根強く、なくなってしまったメーカーも多いため、モデルガンには高い買取・中古需要が存在しています。

モデルガンとエアガンはどう違うのか

モデルガンとは、実際に存在する銃に似せて作られた銃の模型のことです。
エアガンと同じ遊戯銃の一種ですが、エアガンと違って弾を撃ったりサバイバルゲームをしたりはできません。
モデルガンはあくまでも飾ったり、モデルガン用の弾を使って実際に撃ったような音と火花によるアクションを楽しむものです。
モデルガンはただのオモチャの銃ではなく、外見や内部構造などがエアガンよりも実物に近い精巧な造りになっていて、見た目のリアルさから映画撮影の小道具に使われることもあります。

モデルガンの楽しみ方

モデルガンは本物の銃に限りなく近づけることを目指して作られています。
もちろん、安全のために動作機構など一部本物の銃と異なっている部分もありますが、部屋に飾ったり、分解して内部の構造を見て楽しむことができます。
そして、専用の弾を使うことで、発砲させることができるのもモデルガンの醍醐味です。
実際に銃を撃った時のような音、火花や衝撃、排出される薬莢、そして独特な火薬の匂い。
海外にでも行かなければ味わうことのできない、まるで本物の銃を撃ったかのような感触を日本にいながらにして味わうことができる。
これこそがモデルガンのもつ最も大きな魅力といえます。

モデルガンの種類

観賞用モデルガン

その名の通り観賞を目的に造られたモデルガンで、外観を眺めたり手動で動作をさせたりして楽しむもので、発砲のアクションをさせることはできません。
部屋に飾ったりするためのもので、モデルガンで遊んでみたいという人には向いていないでしょう。

発火式モデルガン

モデルガン用のカートリッジ(弾)とキャップ火薬と呼ばれる専用火薬を使って、実際に銃を撃ったかのようなリアルなアクションができるモデルガンです。
発砲時には、リアルな音と光を発するほか、ブローバックといわれる薬莢を輩出するアクションが行えるモデルもあります。

ダミーカート式モデルガン

ダミーカート式モデルガンは、発火式と似ていますが火薬を使用しないモデルガンで、同じように弾を発射するアクションを行うことができます。
引き金を引くと弾が撃ち出され、薬莢がブローバックされますが、発火式のような火花や発砲音はありません。

モデルガンはなぜプラスチックなのか~モデルガンの歴史~

モデルガンはなぜプラスチックなのか~モデルガンの歴史~

現在、販売されているモデルガンの多くはプラスチック(ABS樹脂、HWプラスチック)製です。
銃の模型なら、金属で作ったほうがよりリアルな質感が再現できるように思えます。
実は、このプラスチック製モデルガンの誕生には、日本における銃規制の歴史が存在しています。

モデルガン黎明期

日本でモデルガンが売られるようになったのは戦後すぐのころ、上野のアメ横で輸入した海外製のモデルガンを販売したことがはじまりといわれます。
現在からみればまだまだチープな造りの銃でしたが、当時の人びとにとってはそのリアルさは衝撃で、その頃から大人に大人気で国産のオモチャ銃の5~10倍もする値段にも関わらず、飛ぶように売れたということです。
この頃、中田商店やMGCといった有名なモデルガンメーカーも生まれ、1962年には、ハドソン産業から日本初となる国産モデルガン「モーゼル軍用拳銃」が発売されました。

46年規制と52年規制

当時から、日本は世界有数の厳格な銃規制をもつ国でした。
モデルガンが数多く販売されるようになると、リアルなモデルガンを悪用した強盗・恐喝事件などが発生するようになります。
そのため、昭和46年と52年の銃刀法改正によって金属製モデルガンに規制がかけられます。
これによって金属製のハンドガンタイプのモデルガンは、銃口を塞ぎ、グリップを除く表面部分を黄色(金色)か白色に塗ったものしか所持が認められなくなりました。
この規制によって金属製モデルガンで本物のようなリアルな銃を再現することは不可能になってしまします。
しかし、各メーカーは規制によってモデルガン作りにくくなっていく環境にも負けず、これ以降、プラスチック製のモデルガンで本物を凌ぐリアルさを追求するようになります。
このとき規制されたのは金属製のハンドガンだけで、アサルトライフルやスナイパーライフルのモデルガンなら黒の金属製でも販売が可能で、実際に国内のメーカーからも発売されています。
ちなみに、この規制はエアガンにも適用されるため、海外の金属製エアガンには日本では所持できないものがあります。

エアガンの登場~モデルガンの時代の終焉~

モデルガンは黎明期からずっと日本におけるトイガン文化の中心的存在であり、第1次・第2次と2度にわたるモデルガンブームを生み出しました。
しかし、1980年代にエアガンが登場すると、エアガン市場がぐんぐんと伸びていくのと反対にモデルガン市場は縮小し、撤退・廃業するメーカーが次々とあらわれました。
残ったメーカーもエアガンに軸足を移し、モデルガンは日本におけるトイガンの王者の座から脱落しました。
現在もモデルガンは販売されていますが、その市場はエアガンに比べればずっと小さなものになっています。

主なモデルガンメーカー

MGC

モデルガンといえばMGCというくらい有名な老舗モデルガンメーカーで、モデルガンという言葉はMGC創業者の造語です。
数多くのモデルガンを世に送り出してきましたが、現在は解散してしまっています。

中田商店

現在もアメ横にある軍装品などを扱うミリタリーショップ。
黎明期にアメ横でモデルガンを売り始めたのがこの中田商店で、日本のモデルガン人気に火をつけました。
自社製モデルガンの発売も行っていて初期にはMGCとともに2大メーカーでしたが、現在はモデルガン販売から撤退しています。

ハドソン産業

初の国産モデルガンを発売したメーカーで、マニアックなモデルを販売することでも知られていましたが、2009年にモデルガン製造から撤退しています。

国際産業

リボルバーを中心とした商品を販売し、リボルバーのコクサイと呼ばれました。
2018年1月をもってモデルガン製造から撤退しています。

CMC

実銃の外観やメカニズムを忠実に再現することに定評のあるメーカーで、MGCが若干のアレンジが加えることが多かったため、ファンのあいだでMGC派とリアルさ重視のCMC派に分かれていた時期もありました。
現在では解散しています。

マルシン

MP40
MP40
引用:マルシン

エアガンで有名なマルシンですが、もともとは中田商店の下請けをしていたメーカーで、現在でもモデルガン製造を行っています。

タナカ

エアガンメーカーとして知られるタナカはモデルガンも手掛けていて、ボルトアクションライフルなどモデルガンではラインナップの少ない長物を多く発売しています。
エアガンでも定評のあるタナカの木製ストックはモデルガンでも健在です。

タニオコバ

MGC出身者によって設立されたブランドで、「タニオアクション」と呼ばれる独自のブローバック機構をもつモデルガンを出しています。

ハートフォード

社長の西部劇好きから誕生したメーカーで、コルトや古式銃など多くのハンドガン製品を発売し、組み立てキットにも力を入れています。

CAW(クラフトアップルワークス)

MGCやCMCから引き継いだ金型によるリバイバル商品の販売をはじめ、日本軍拳銃シリーズなどの独自商品も出しています。

六研 エラン

タカカスタム 2019年版
タカカスタム 2019年版
引用:株式会社エラン

トイガンデザイナー六人部登(むとべのぼる)氏が設立したメーカーで、精巧な造りのモデルガンで、高価で生産数が少ないことも有名でした。
ほとんど広告もされずに値段すら公開されずに販売されるモデルや個人オーダーのモデルもあり、当時からマニアのあいだでは伝説的なブランドとされていました。
現在はブランド名のみが残っていて、トイガンメーカーのエランから六研ブランドとして発売されています。
エランから販売されているモデルも、一丁10万円を超えるようなとても高価なものが多いです。

モデルガンは高値で売れるのか?

ではモデルガンを査定に出したとすれば、高額買取は可能なのでしょうか。
結論をいえば、高額買取は可能といえます。
上のブランド紹介で気づかれた方もいると思いますが、モデルガンメーカーのなかにはすでに廃業したり、モデルガンから撤退しているメーカーが多くあります。
こうしたメーカーの商品を手に入れようとすれば、中古品を探すほかありません。
モデルガン市場はかつてほど大きくはありませんが、現在でも新しいモデルガンは発売されており、根強い人気をもっています。

モデルガンを買取に出すときの注意点

モデルガンを買取に出すときの注意点

モデルガンを売却する際には、なるべく新品に近い状態のほうが有利だといえます。
MGCやハドソンなどの製品は現在市場に出回っているものだけで新しい商品が売り出されることはありません。
中古でしか手に入らないからこそ、なるべく状態のいい商品が求められますので、新品未開封のものや、未使用・未発砲のものは高値がつきやすくなります。
といっても、すでに使ってしまったものを今更新品に戻すことはできませんが、その場合でも不要な布で拭いたり、なるべく本体を綺麗にするようにしましょう。
特に、発火式のものは火薬の汚れが残ってしまうので、念入りな清掃が必要です。
売却するときには、箱や説明書などの付属品もセットにしてできる限り買ったときに近い状態に戻しましょう。
また、モデルガンは付属品同様に弾も買い取ってもらえることがあるため、もっているならこちらも一緒に査定に出すようにすれば価格アップが見込めます。
買取コンビニでも、モデルガンの弾は買取対象になっています。

SMGマークとSPGマーク

現在販売されているモデルガンには、銃刀法の規制に適合した金属製モデルガンにSMGマークが、プラスチック製モデルガンにもメーカー独自規制のSPGマークが付与されています。
特に、金属製のハンドガンで金色に塗装されていないもの、SMGマークがついていないものは買取不可となってしまうため、事前にこの2つのマークがついているかどうかをチェックしておきましょう。

価格の傾向と買取の注意点

現在販売されているモデルガンは多くは、プラスチック製ですが、金属製モデルガンの人気も根強く、プラスチック製より高値がつくこともあります。
発売されているモデルガンのほとんどはハンドガン(拳銃)で、ライフルや狙撃銃といったモデルガンは販売数も少なく、販売価格も高価であるため、買取価格もそれに比例して高くなる傾向にあります。
モデルガンを売却する際には、事前に相場を調べ、自分が売ろうとしているモデルガンがどれくらいの値段で取引されているかを確認し、複数の業者で査定を出すほうがいいでしょう。
販売されているモデルガンの多くはハンドガンですが、ハンドガンはトイガンのなかでも買取価格が低めに設定されていることが多く、相場を知らない業者だとあなたの大切なモデルガンが安く買い叩かれてしまうこともありえます。
モデルガンやエアガンの買取をアピールしている実績や経験が豊富な業者や専門店を選ぶようにしましょう。

まとめ~人気のピークを過ぎたからこそ、高額買取が狙えます~

モデルガンは、今ではエアガンの陰に隠れてしまいましたが、日本のトイガンの一時代を築いてきたものです。
子供の頃、憧れだったけれど手に入らなかったモデルガンを大人になってから手に入れたいという人もいて、古いモデルでもまだまだ需要があり、消滅してしまったメーカーの商品などは高価買取が狙えます。
モデルガンにも、もちろん人気のモデルや限定モデルなどもありますが、そのほかのモデルであっても決して需要がないというわけではありません。
モデルガンの楽しみ方は飾る、撃って楽しむなど様々で、買う時もエアガンのようにサバゲーでの使い勝手の良さなど実用性を考える必要性も低く、価格を除けばその人の趣味や好みが強く反映されるものだからです。
あなたにとって不要でも、ほかの誰かにとっては絶対に手に入れたいモデルということもあります。
もしあなたの家にいらなくなったモデルガンがあるなら、一度査定に出してみてはどうでしょうか。
眠っていたモデルガンに思わぬ高値がつくことがあるかもしれません。

利用するなら