今や幻のガンダムプラモデル「元祖SDガンダム」とは

2019.07.10

おもちゃ・フィギュア

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今や幻のガンダムプラモデル「元祖SDガンダム」とは
引用:PREMIUM BANZAI!
1990年代、いわゆるリアルタイプのガンダムではない、可愛らしいディフォルメタイプのガンダム「SDガンダム」が子供に大変な人気を博していました。そのSDガンダムのプラモデルのシリーズのひとつに「元祖SDガンダム」というシリーズがありました。このシリーズの商品は今では販売されていないだけに、その中には非常に高値で買取されているものがあります。

元祖SDガンダムとはどんなプラモデルか

1980年代後半から1990年代にかけて、ガンダムもモビルスーツを2~3等身にしたSDガンダムは、大変な人気を博していました。SDガンダムは主に2つのシリーズのプラモデルが発売されていました。
一つが現在でも発売され続けている、バンダイのホビー事業部、現バンダイスピリッツによる「SDガンダム BB戦士」。もう一つが、玩具流通の問事業部で発売されていた元祖SDガンダムなのです。

元祖SDガンダムは再販がないので買取で高値になる

BB戦士 333Oガンダム(実戦配備型)
BB戦士 333Oガンダム(実戦配備型)
引用:BANDAI hobby SITE

ホビー流通と玩具流通ということで、この二つは流通経路が異なり共存をしていました。ホビー流通によるBB戦士は今も新商品が発売されており、1980年代に発売された商品が、2019年でも再販されることもあります。
しかし玩具流通で発売されていた元祖SDガンダムは、金型も現在所在不明になっており、これから先再販されることはまずないと言われています。
それだけに元祖SDガンダムは貴重な商品となっており、コレクターにとって中古市場で買い集めるしかない商品になっているのです。現在ではネットオークションや中古市場などで、高値で買取される商品もよく見られます。

元祖SDガンダムは高額商品も多い

また特徴としては、価格帯の幅が非常に広くなっています。初期の商品は480円という低価格でしたが、大型のアイテムやセットもの。また素材にダイキャストや電動ギミック、発光ギミックを備えたものなど、模型ではないやや低年齢向けの“オモチャ”ならではの多彩な商品が発売されていました。当時の定価でも年末商戦向けのセットでは、5000円を超えるものがありました。
当然発売中は低価格商品の方が多く市場に流通し、高額商品は数がそれほど売れるものではないのであまり製造されませんでした。現在では高額商品の未開封ものは、買取で中古市場に出ることすら稀になっています。

元祖SDガンダムではどんなアイテムが人気なのか

元祖SDガンダムの中で、インターネットオークションなどで買取価格が高くなりやすいのは、やはり元の値段が高くあまり市場に流通しなかった商品です。
基本的には低価格で簡単に遊べる商品というのが元祖SDガンダムのコンセプトだったので、480円とか680円という価格帯で商品が多く発売されていました。

フルアーマーナイトガンダムに注目

SDX フルアーマーナイトガンダム 伝説の巨人編Ver.
SDX フルアーマーナイトガンダム 伝説の巨人編Ver.
引用:PREMIUM BANZAI!

しかし中には主役や主役のパワーアップ商品など、塗装済み・ダイキャスト・メッキ仕様と豪華な仕様を盛り込んだ商品も発売されています。元祖SDガンダムは発売当初は普通のガンダムシリーズ中心でしたが、徐々に武者ガンダムシリーズ、ナイトガンダムシリーズ、コマンドガンダムシリーズも発売。途中から武者ガンダムシリーズはBB選手を中心に商品化されるようになり、ナイトガンダムシリーズとコマンドガンダムシリーズがシリーズの軸となっていきました。
ナイトガンダムシリーズでは主役のナイトガンダムのパワーアップ形態である「フルアーマーナイトガンダム」は初めて元祖SDガンダムで、鎧パーツにダイキャストを使った商品でした。価格も普通のナイトガンダムが480円という低価格なのに対し、フルアーマーナイトガンダムは1500円、しかも塗装済みという高額な商品でした。非常に人気のあるキャラのパワーアップ形態ということで、このフルアーマーナイトガンダムは現在当時の定価の数十倍の価格で買取されています。
またコロコロコミックボンボン誌上を中心に行われた販促キャンペーンでも、数多くの限定品がプレゼントされました。これらの景品も買取価格は高額になっています

黄金神スペリオルカイザーは不滅の人気


SDX 黄金神スペリオルカイザー
引用:PREMIUM BANZAI!

中でも黄金神スペリオルカイザーという、ナイトガンダムワールドの中でも最強のキャラクターと言われるキャラの金メッキバージョンはプ大変貴重です。プレゼントで一部流通しただけで数も数百体しか無いと言われており、非常に珍重されています。
元々黄金神という名前がつくように、全身がゴールドに輝くというデザインなのですが、玩具ではコストの都合上一部にのみ金メッキが使用されていました。しかしプレゼントキャンペーンの商品は限定品ということもあり、本当に全身金メッキで再現されています。この全身金メッキのものこそが、これが本当のスペリオルカイザーだという人も多いのです。
全身金メッキのスペリオルカイザーを求める人は今でも多くおり、近年SDXという大人向けのSDガンダムフィギュアで商品化された時も、残念ながら全身金メッキでの商品化はされませんでした。
また元祖SDガンダムは香港などでも展開されており、そちらの海外市場にもファンがいます。海外の富裕層が最近では値段に糸目をつけずに商品を買取してコレクションしているので、その結果買取価格はどんどん値上がりつつあります。

意外なレア商品パーフェクトジオング

先に上げてきた買取価格が高い元祖SDガンダムの商品は、基本的には主役そして数があまり発売されなかった限定品です。いわゆる値段が上がりやすい条件を兼ね備えているだけに、一般的なレア商品であることは比較的誰でも想像しやすいです。
そういった条件を特に兼ね備えていないレア商品が、一つあります。それが初期に発売された「パーフェクトジオング」です。ジオングといえば。機動戦士ガンダムの最終回でアムロのガンダムと戦った、赤い彗星のシャアの最後の搭乗機体として非常に有名なモビルスーツです。しかし、色が赤くないなどのデザインからそれほど高い人気は持っていません。
それでも機動戦士ガンダムのラスボスと言えるモビルスーツですから、元祖SDガンダムでも初期に商品化されてしまいました。しかしなぜかこのパーフェクトジオングはあっという間にカタログから名前が消えてしまい、480円の低価格ラインながら非常に流通している数が少なくなり、買取価格も高額になっています

金型の都合で再生産されなかった

その理由は、近年ようやく金型の都合上体が壊れて生産がすぐにできなくなる状態に陥っていたから、という理由が書籍で明らかになりました。このパーフェクトジオングは組み立て中古品でも数千円で取引されることがありますし、もし未開封品があればその買取価格は5万円は軽くいくでしょう。
特に限定版というくくりもない一般商品として作られた商品ながらも、このパーフェクトジオングは元祖SDガンダムを集める時には購入しにくい商品となっているのです。

まとめ

SDガンダムは1990年代に大きな人気を博しましたが、その後リアルガンダムの人気が上がるにしたがって、現在ではガンダム関連の商品の中では、それほど大きな存在感を持っていません。そのため、今のSDガンダムのファンと言うと1990年代に子供であった30代がメインとなってくるでしょう。
30代のファンになると自由に使えるお金が増えてくるため、実はSDガンダム関連の高額商品は現在増えている状態なのです。先に挙げたSDXというSDガンダムの完成品フィギュアは、ネット限定ショップのプレミアムバンダイで発売され続けています。
もし元祖SDガンダムで子供の頃遊んでいて、作った記憶があるという人は子供の頃のおもちゃ箱などをひっくり返してみると、意外なお宝が眠っているかもしれませんよ。

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